本格ミステリー小説なのに200ページ読んでも発生しない殺人事件。
作品に関係あるんだか無いんだか分からない6ページ以上にもわたる文字ぎっしりの抽象画講義。
そしてラストの大破局(カタストロフ)。
これは間違いなく平成の奇書です。
概要
二十年前に死んだ美少女を偲び、孤島「和音(かずね)島」に集う男女を襲う惨劇。
今も彼女の影が支配する島で、雪が降りつもった夏の朝に、首なし死体が発見される。
雪密室を皮切りに島の均衡は崩れ、暴走が始まる。
ラストの大破局(カタストロフ)、メルカトル鮎(あゆ)のとどめの一言。
発表当時から話題騒然の超問題作が新装改訂版で登場!Amazonより引用
邪道オブ邪道ミステリー。ほんとにどうかしている。
久々にヤバい小説を読んでしまいました。
「すごい」じゃないです。「ヤバい」。
作者の麻耶雄嵩さんという方が、性格の悪いミステリーを描くことでお馴染みの人なので、ヤバさについては覚悟はしていたんですよね。
いわゆる「問題作」を一貫して書き続けており、
と表記されてるぐらいの人ですから。
麻耶雄嵩のデビュー作、翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件も同じく反則系のミステリーながらも僕は全然受け入れられました。
そんな僕でも、夏と冬の奏鳴曲の感想はちょっと言葉に詰まりますね……。
誤解の無いように言っておくと、決して駄作ではないです。
言葉に詰まるというだけで……
本格ミステリーというカテゴリーの中では邪道オブ邪道の本作なんですけれども、解決は論理的ですし、ミステリーとしての完成度そのものは高いんですよね。
だからこそ評価に困るんですけれども。
具体的に何がどんな風にマズいのかはネタバレになるので書けません。実際に手に取ってみてください。
もし、この本に興味を持ったなら、世界観も繋がっている「翼ある闇」から読むのをオススメします。
こちらも「どうかしている」ミステリー小説です。
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