平たく言うと、金にはコスパの良い使い方と悪い使い方があるということです。
思ったより当たり前のことしか書かれてないのですが、どの結論も科学的に証明されているのが嬉しいところ。要するに、この本に書かれていることは再現性があるということですね
先に結論をまとめるとコスパの良いお金の使い方は
- ①経験を買う
- ②ご褒美にする
- ③時間を買う
- ④先払いする
- ⑤他人のために使う
の5パターンです。
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概要
「たった5ドルの使い方」で幸福は変わる
「ある程度以上のお金を持っていても、幸福にならない」――多くの研究がそう結論付けている。 しかし、「使いかた」を変えたら?
NHK“幸福学”白熱教室やTEDで話題となったハーバード大ビジネススクールのマーケティング専門家マイケル・ノートン博士とカナダ・ブリティッシュコロンビア大学の心理学者エリザベス・ダン博士が解き明かす「幸せをお金で買う」新しい方法。Amazonより引用
①経験を買う
物質的なもの(家やテレビ、高級万年筆)を買うことよりも、経験(旅行やコンサート、特別な食事)を買うことの方が幸福度が増すそうです。
1個約200円のLチキを1か月毎日食べるより、その6000円で小旅行した方が思い出に残るというのは直感的にも理解出来る話です。
買ったものが、物質的な買い物に属するか、経験的な買い物に属するかはちょっと判断が難しいところですが、以下の4つの基準を満たすものは大きな喜びを得られるのではないかと、本の中に書いています。
・他の人々と交わることによって、社会的なつながりが生まれるような経験。
・この先何年にもわたって楽しい気持ちで繰り返し語ることができる思い出話につながる経験。
・あなたが感じている自分という人間、あるいはあなたがなりたいと思っている自分像に密接に結びつく経験。
・他の選択肢と簡単に比較することができないめったにないチャンスを与えてくれる経験。
②ご褒美にする
どんな素晴らしいものでも身近にあると、ありがたみが失せるものです。
ジブリ映画がいくら面白いからといっても毎日見ていると飽きますが、金曜ロードショーで放映されるときだけ見るぐらいなら、映画の面白さは色褪せないですよね。
食べ物でも旅行でも、好きなものは「当たり前」の頻度で摂取しないように気を付けることが、高コスパなお金の使い方なようです。
マクドナルドの月見バーガーも、敢えてレギュラー商品化しないことで、商品の持つスペシャル感を損なわないようにしていますよね。
好きな物は敢えて毎日摂取せずに、ご褒美にすることでスペシャル感を出すようにすると、慣れで喜びが減らないという話ですね。
③時間を買う
研究によると、通勤に片道1時間かかる仕事に就いてしまった場合、幸福感に負のインパクトを与えるそうです。具体的には失業と同じぐらいのインパクトなんだとか。
どうやら時間の豊かさと幸福度は強い相関関係にあるようです。
ところが、そのために極端な時短を意識しすぎると(たとえば運転中にサラダを食べるとか)、むしろせっつかれたような気分になって、苛立たしい気分が増幅するようです。
あくまで大事なのは、時間の豊かさによって生まれる心の余裕みたいです。
ルンバを買って空き時間を作るのは良いけど、時間の余裕を作るために好きでもない立ち食い蕎麦を毎日食べるのは心が荒む、という話でしょうか。
ちょっと話は逸れますが、面白いことに、人間はたった15分でも時間を他人のために使うだけで時間に追われている感覚が薄らぐそうです。
それどころか、むしろ自分が効率的に働いていると感じるのだとか。
こういう時間感覚に関する小ネタを知っておくと、人生がちょっとだけ豊かになるかもしれません。
④先に支払って、あとで消費する
人はお金を支払うことに嫌悪感を覚えます。
行動経済学者はそれを「支払いの苦痛」と名付けました。
クレジットカードのような後払いシステムには支払いの苦痛をやわらげる麻酔効果があると言われています。だからクレカ払いで破産する人もいるわけですが。
また、「後で支払わないといけない」という気持ちは、人間の幸福感を奪うことがわかっています。
負債が増えれば増えるほど、家庭内の衝突が増えてしまうという研究結果もあるそうです。
そこでこの本では、先に支払って、あとで消費することを推奨しています。
これには嫌なことは、先に済ませたほうが気分が良く日々を過ごすことが出来るという当たり前の原則だけでなく、あとで消費することを選ぶ方がワクワク感が増幅されて、買ったものがより楽しみになるという副効果もあるようです。
また、先にお金を支払うことで脳の負荷が下がるので、後払いをしたときよりも賢明な判断を取ることが出来るようになるんだとか。
⑤他人に投資する
我々の脳には、他人を幸せにすることによって幸福を感じる機能があるのだそうです。
カナダの大学の研究によると、自分のために5ドルを使ったグループよりも、寄付や贈り物のために5ドルを使ったグループのほうが、明らかに幸福感が高まっていたそうです。
しかも、寄付をした金額が5ドルだろうと20ドルだろうと得られる幸福感に違いはありませんでした。
寄付をすることは、家庭の所得を倍にするのと同じぐらい幸福度の向上に貢献するという報告もあるようです。
また、仮に寄付した人間の収入が低かったとしても、幸福感の向上は発生したようです。
これを身近な例に置き換えるなら、定食を+100円して大盛にするぐらいなら、それを5回分我慢して誰かにアマギフをプレゼントしたほうが実はコスパが良いという話になります。
最近読んだGIVE & TAKEという本にも「他人に親切にすると人生がイージーモードに近付くよー」みたいな話があったので、他人のためにお金を使うことは我々の想像以上にお得なことが多いようです。
とりあえず月に1000円ぐらいは他人のために使うことを始めようと思いました。
今回の要約で紹介しきれなかった話も多いので、この本かなりオススメです。ちょうど今キンリミで読み放題ですしねー。
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