【読書】ハルヒ公式によるハルヒパロディ。キャラは成長しているが展開は二番煎じに近い何か。(涼宮ハルヒの憤慨/谷川流)

ライトノベル
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この巻は飛ばしても良いかもしれない……。

涼宮ハルヒの憤慨 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)

 

 

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あらすじ

 涼宮ハルヒが暇を持て余してたらそれこそ天地が逆になる騒ぎだろうが、むやみに目を輝かせてるのも困った状況ではある。それというのも生徒会長なるお方が、生徒会はSOS団の存在自体を認めないなどと言い出しやがったからで、意外な強敵の出現にやおら腕章を付け替えたハルヒ“編集長”の号令一下、俺などという苦行の真っ最中なわけだ。天上天下唯我独占「涼宮ハルヒ」シリーズ第8弾!

 

Amazoより引用

 

悪い意味でいつものハルヒ

「ザ・スニーカー」というラノベ雑誌に掲載されていた中編が2作収録されています。
単行本収録の話はハルヒファンしか見ないかもしれませんが、今回は色々な人が手に取る雑誌収録の話なので、過去の伏線が活きるような展開は抑え目。尚且つ「みんなの思うハルヒっぽい小説」を作った印象です。ハルヒっぽさとは何かというと、ハルヒが厄介事を持ち込んできて「キョン!〇〇するわよ!」とか言い出すアレ。あの感じ。

と、そのような事情はある程度は理解出来るものの、1巻から連続して読んでいると「またこのパターンか」と溜息をつきたくなるのも事実。8巻なのにハルヒ初心者向けのように思える1冊。

 

編集長一直線

ひとつめの中編。ハルヒ達が部室を間借りしている文芸部が廃部になりそうなので、SOS団のメンバーみんなで小説を描く話。超能力者属性よりも便利キャラ属性の方が強くなってきた古泉がまた暗躍します。
SOS団メンバーの内面を彼らが描いた小説という形で表現するという試みは面白く、長門有希の描いた幻想ホラーはなかなか考察のしがいがあります。しかしながら話としては展開が弱く、中編にするほどの話では無かったかなと思いました。

この話にはミステリー的な仕掛けが施されていて、それ自体はキャラの属性とマッチしたトリックではあるんですけれども、正直小ネタ止まりであまり面白くありませんでした。ハルヒシリーズは短編でちょくちょくとミステリーネタを挟んでくるんですけれども「それで?」と言いたくなるようなネタばかりなんですよね。

最新作の「涼宮ハルヒの直観」はミステリーとしてもキャラ小説としてもよく出来てるんですけれども、まあ、「ハルヒシリーズ」という制約を守りながら面白いミステリーを作るのは難しそうですよね。

 

ワンダリングシャドウ

二つ目の中編。SOS団がハルヒの暇つぶし的思い付きに振り回されるという「いつものハルヒ」。ページ数が多い割には「いつものハルヒ」止まりの面白さであり、作者のネタ切れを少し心配するレベル。これがハルヒ初見なら面白いかもしれないんですけれども、1巻から丁寧に追いかけていると「またこのパターンか」とゲンナリします。特に今回はいつもと違うパターンを少し匂わせただけに罪深いです。

ハルヒシリーズはキャラの内面が成長するのが良いところなんですけれども、涼宮ハルヒシリーズはハルヒが人間的に破綻してないと面白い話が作れないという事情もあるため、色々難しいとは思うのですが。

 


 

 

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