SF(サイエンス・フィクション)よりもSF(少し・不思議)寄りのSF短編集:涼宮ハルヒの退屈 /谷川流 感想【読書記録】

ライトノベル
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ハルヒらしさが一番詰まってます。

 

涼宮ハルヒの退屈 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫)

 

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あらすじ

 ハルヒと出会ってから俺はすっかり忘れた言葉だが、あいつの辞書にはいまだに“退屈”という文字が光り輝いているようだ。

その証拠に俺たちSOS団はハルヒの号令のもと、草野球チームを結成し、七夕祭りに一喜一憂、失踪者の捜索に熱中したかと思えば、わざわざ孤島に出向いて殺人事件に巻き込まれてみたりして。まったく、どれだけ暴れればあいつの気が済むのか想像したくもないね……。

非日常系学園ストーリー、天下御免の第3弾!!

Amazonより引用

 

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感想 

『憂鬱』 『溜息』は長編でしたが今回は短編集です。

『溜息』のときは『バカ女』以外の呼び名が思い当たらないぐらいのバカ女だったハルヒも、『退屈』ではナチュラルハイのポジティブシンキング系女子高生ぐらいに収まっています。

長編だとページ数分だけハルヒの我が儘を見続けないといけなかったのが、短編だと話の区切りごとにハルヒの我が儘が解消されるからなのか、今回は読んでいてあまりイライラしませんでした。

全体的には、前回と同じくSOS団の顔ぶれを紹介するような内容の1冊です。

 

 

短編1 涼宮ハルヒの退屈

SOS団総出で参加した草野球大会の勝敗が、ハルヒのせいで地球存亡の危機にまで発展する話。

登場キャラクターの個性が爆発していて、この話が一番好きです。

ハルヒは今作もやや支離滅裂気味。それでも前作と比べるとだいぶ常識的になっています。

 

短編2 笹の葉ラプソディ

朝比奈みくるの力を借りて3年前の七夕までタイムトラベルをしたら、中学生の頃のハルヒと出会う話。

物語の大きなキーワードである『3年前』について切り込んでいます。

SFは作者の得意分野らしく、タイムトラベルについてかなりそれらしい説明がされているのですが、僕はあまりSFには詳しくないのでピンと来ず。

それでもピンと来ないなりには楽しめました。

 

短編3 ミステリックサイン

謎の上級生の依頼により、SOS団がかつてパソコンを強奪したコンピュータ研の部長を捜索する話。

巨大カマドウマの描写が雑すぎて僕は好きです。

カマドウマという虫をご存じであろうか。

知らんというかたには、ぜひこの目の前の光景を見せてあげたい。細部に至るまでよく解るぞ。

なんせ、全長三メートルはありそうなカマドウマだからな。

 

涼宮ハルヒの退屈より引用

 

短編4 孤島症候群

何の因果か真夏の孤島の別荘に泊まることになったSOS団が殺人事件に出くわす話。

ミステリーとしては40点ぐらいですが、SOS団を題材にしたミステリーとして見ると80点ぐらいはあります。

人の生き死にがかかっているだけあって、ハルヒの常識人的な一面が見られます。

ミステリーを読んでいる人に刺さるネタがいくつもあって、作者の読書量には驚かされるばかりです。

ただ、話のスケールの小ささに比べてページ数が割かれすぎていている感じがします。

 

 

色々なタイプのSFをSOS団で再現しようという作者の意欲が見える1冊です。

『ハルヒを久々に読みたい』と思うなら、これが一番『ハルヒ』らしくて良いと思います。

 


 

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