ガトーの有無で面白さに雲泥の差が出るアニメ。
第7話 蒼く輝く炎で
フルバーニアン仕様となったガンダムのテストを、コウは順調にこなす。コウはニナをデートに誘おうとするが話しを切り出すことが出来ず、かえってニナを怒らせてしまう。モビルアーマーを修復したケリィは、戦友ガトーのいるデラーズへの合流を望むが果たせず、コウの1号機に勝負を挑む。
師匠ポジションぽくなっていた片腕のおじさんを敵として殺害してしまう話。
「主人公が、尊敬する敵を殺してしまう」という構造はファーストガンダムのランバラル戦っぽいなと思いました。
この「師匠殺し」というシチュエーションだけを切り抜いて伝えると燃える展開っぽいのに、実際に見ている僕はいまいち燃えてなくて困惑しています。なんか、このアニメって雰囲気でストーリーが進んでいるようにしか見えなくてキャラへの共感が難しいんですよね。
戦闘パートのクライマックスでガンダムの分離機構を活かした一撃が、絵的なインパクトがあるだけで格好良さがイマイチだったのも燃えなかった原因かもしれない。僕はあのシーンでワンピースのバラバラ緊急脱出を思い出しました。
正直僕は全然ストーリーに付いていけてないのですが、あれよあれよという間に片腕のおじさんは死んで、コウとニナは晴れてカップル同士に。
0083は表面的には登場人物の心情を理解できるのに「どうしてその心情に至ったのか」という部分を考えるとよく分からなくなります。
もっとも、富野ガンダムは登場人物の心情が極端すぎてそもそも感情移入が難しかった記憶がありますが。
第8話 策謀の宙域
連邦軍のワイアット准将とデラーズのシーマは、秘密裡に接触を図る。それを発見したバニングたちは、ワイアットの艦が襲撃を受けているものと思い、シーマの艦を攻撃。撃沈した敵艦から「星の屑作戦」の全貌を記した計画書を発見する。
バニングがコウの目の前で殉職する話。どうして突然機体が爆発したか分からないんですけれども、どこかで真相が明らかになるんでしょうか。
コウの一人称がボクからオレになったエピソードが挟まったことで、「ガンダム0083」という話が「男の成長」というテーマを描いた作品だということが朧気ながら分かってきました。
このアニメの最終到達点が「究極の男らしさ」だとすると、片腕のおじさんとバニング師匠の死を乗り越えて、ニナと恋仲になったコウは「男らしさ」のステージが着実に上がってきていますね。
でもまだラスボスのガトーの男らしさには及ばない気がします。
コウの男らしさを上げるために、いつも一緒にいるメガネの友達も死ぬ気がしてきました。
第9話 ソロモンの悪夢
連邦の宇宙要塞コンペイトウの前で、大規模な観艦式が行われる。一方、デラーズにはジオン軍の残党が続々と合流。核兵器を搭載したガトーの2号機が連邦艦隊を狙って動き出し、コウはフルバーニアン仕様のガンダムを駆って阻止しようとする。
やはり創作物には格好いい敵キャラが必要だ。
ガトーが出てきて久々にこのアニメを面白く感じました。
ひとつの信念を持って秩序を破壊しようとする敵キャラは、決して正義側のキャラからは出せない魅力があります。ジョジョのDIOしかり、Fateのギルガメッシュしかり、0083のガトーしかり。
1~2話以降の0083が勢いに欠けているように見えたのは、このアニメのシンボルたるガトーの影が薄かったからかもしれません。
「ソロモンよ、私は帰ってきた!」というガトーのセリフは、大塚明夫の演技によって、セリフが本来持っていた重み以上に重く聞こえます。
主人公、コウ・ウラキはどのようにガトーというキャラを超えていくのでしょうか。
俄然このアニメの続きが楽しみになってきました。
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