深刻なタイトルとは裏腹に中身は軽妙な探偵小説:葉桜の季節に君を想うということ/歌野晶午 感想【読書記録】

小説
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テレビで言ってたんですけれども、元SMAPの中居さんがこの小説好きらしいです。

葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫) 

今なら、この本をキンドルで買うと50%分のポイントが返ってくるようです。(20/11/5までのキャンペーン)
Amazonのレビューにはネタバレが溢れ返ってるので、楽しみたいなら何も見ずに買うことがオススメです。
 

著者は歌野晶午。ミステリー好きには有名ですけれども、そうでもない人にはほぼ無名も同然かもしれません。代表作は『密室殺人ゲーム王手飛車取り 』等。

文章は読みやすいながらも、最後に必ず一捻りを入れてくれるのであまり本を読まない人にも勧めやすい作者です。

Anotherの綾辻行人と合わせて 『新本格ミステリー作家』としてひとくくりにされることもあります。

www.camduki.com
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あらすじ

いつものようにフィットネスクラブで汗を流していた成瀬将虎は、ある日後輩の芹澤清から、彼が密かに想いを寄せる久高愛子の相談に乗ってほしいと頼まれる。愛子は、家柄の手前警察には相談しにくいので、轢き逃げに遭い亡くなった身内が悪徳商法業者・蓬莱倶楽部によって保険金詐欺に巻き込まれていた証拠を掴んで欲しいと依頼してきた。

同じ時期、将虎は地下鉄に飛び込もうとした麻宮さくらという女性を助ける。それがきっかけとなり、以後何度かデートを重ねる仲になる。

保険金詐欺事件の真相究明と将虎の恋の行方、2つの出来事がやがて交錯する。

 

Wikipediaより引用

 

感想

このミステリーがすごい2004年第一位、日本推理作家協会賞受賞、2004年版本格ミステリ大賞第一位。

2004年のミステリー賞を総なめにした1冊です。

真相が明かされた瞬間は硬直しました。脳がフリーズしました。ちょっとした臨死体験でした。

その衝撃のラスト(使い古された言葉なのであまり使いたくはないんだけれども……)が話題になりがちな本作ですが、その部分を抜きにしても面白いのがポイント。

『葉桜の季節に君を想うということ』というオシャレすぎて気絶しそうなタイトルとは裏腹に、内容は私立探偵の成瀬将虎が霊感商法の詐欺会社を追っていく、軽妙なハードボイルド探偵ものです。もちろん、タイトルから連想出来るような恋愛小説要素もきちんとあります。

老人が霊感商法の詐欺の深みにハマっていくシーンはいやにリアルというか、生々しいと言うか。自分の親もそろそろ老齢に差し掛かろうとしているので、昔読んだときよりも嫌な気分になりました。

とはいえ、基本は痛快探偵もの。軽い気持ちで読み始めて、サクッと読み終わるのが良いかと。初めて読んだときは、面白すぎて三日で読み終わった記憶があります。

尚、最後のページに付いている補遺にはネタバレギリギリのことが書いてるので、心の底から楽しみたい人は素直に最初のページから読むのが吉。

 

 

プロフィール

読書好きのゲーマー。
ゲームは無双みたいなライトな物が好き。
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コメント

  1. たけのこのさとし より:

    この記事見て面白そうだなって思って読んでみました。カミヅキさん信じてよかったです。
    最後まで素直に騙されてたので、2周目読んでもまた楽しめそうです。

  2. CAMDUKI より:

    うおお!ありがとうございます!!
    葉桜めっちゃ良いですよね!!

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