Fate/Zeroは奈須Fateとは違った魅力があってとても良かった

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Fate/Zero(5)闇の胎動 (星海社文庫)

Fate/Zeroを一応説明すると伝説的ノベルゲームFate stay/nightの前日譚です。ライターはまどマギの脚本もやってた虚淵玄です。

Zeroは小説なので本編(stay/night)のようにルート分岐などあろうはずもなく1本道で話は進みます。というか、Fateぐらい物語性の強い話でルートを分けると色々と齟齬が出てしまうので、小説スタイルの方があってますよね。無論、エロゲ形式で販売しないといけなかった理由はあったんでしょうけど。

 虚淵さんの文章は冷たくて俯瞰的でありながらも、キャラの内面は生々しく抉って読者に伝え、説明が必要な場面ではちょうど読みたい分量だけ説明をしてくれるのが良いなと思いました。かなり好きな文体です。Fate本編よりもマスターやサーヴァントの心情に寄り添って書かれていたと思います。まあ、そんな中で重火器とバイクの説明がやたらと濃かったのは本人の趣味っぽい気がしますけれども笑

それでいてFate本編の設定や小ネタを拾っているのは勿論のことながら、奈須きのこ先生の書いた文章にありがちなカタカナ連打で発狂を表現(例:「コロセコロセコロセコロセ」)なんかも再現してたのはサービス精神旺盛だなって思いました。

ただ戦闘描写が少しわかりにくいところがあって(特にケイネスの魔術関連)、そこはちょっと残念でした。今ならアニメで補完出来るんで良いんですけれども。

 

それにしても切嗣とセイバーの仲の悪さはどうしたもんでしょうか。会話した回数がたった3回しかなかったという本編の無茶設定をどう消化するのかと思っていたら、間にアイリスフィールを立てて意思疎通をするという離れ業で消化したのは感心したけど「切嗣お前もっと上手いやり方無かったんか?」と思うのも正直なところ。

セイバーからすれば善意でやってることが、切嗣視点で見ると溜息も出ないような愚行だったりして、両者の擦れ違いが酷い。出来のいいコントみたいなチグハグ具合。セイバーの格好良さを引き立てつつ、切嗣で台無しにするっていうボケとツッコミ的な風情すら感じます。これが主人公コンビっていうんだから驚きですよね。

 

あと、個人的に桜がどうして間桐の家に入っているのかが本編で一切回収されずに終わってしまったので微妙にむず痒かったんですけれども、あれは一応時臣の親心だったんですね。時臣さんは考えたことが4割ぐらいの確率で裏目に回るんだなあ。はーポンコツポンコツ。許嫁LOVEのくせにNTR逸話がある英雄呼んじゃったケイネスと良い勝負でポンコツですね。

ギルは本編の噛ませっぷりが消え失せていて公式チートキャラの面目躍如というところ。時臣が失敗したのは大体こいつのせい。何か本編よりも優しくなりました?本編だったら聖杯のためにイリヤの臓物をくり抜くような男だったじゃないですかこの人。

こんな感じで各陣営についてそれぞれ感想を書こうと思った(というか半分ぐらい書いてた)けど、手間がかかるうえにあまり面白くないので没にしました。とにかくZERO面白かったです。

Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫)

Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫)

  • 作者:虚淵 玄
  • 発売日: 2011/01/12
  • メディア: 文庫
 

 

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