大逆転裁判1はシナリオがイマイチだっていう感想ばかり聞いたけど想像以上に面白かったですよこのゲーム。モヤモヤする部分は2で全て明らかになるって聞いてたおかげで受け入れられただけかもしれないですけど。
大逆転裁判は、本家シリーズの主人公・成歩堂龍一のご先祖様にあたる成歩堂龍ノ介を主役にした逆転裁判シリーズの番外編です。1234までのシナリオを担当していたタクシューが久しぶりに関わった逆転裁判シリーズとしてファンの間では話題になっていました。
タクシューが関わっていない逆転裁判5、逆転裁判6をすごく楽しんで遊んでいた自分としては逆に「今さらタクシューに面白いもの作れるの?」ぐらいに思ってたんですけれどもめっちゃ面白かったです。
5と6は『逆転裁判』というゲームのスタイルを大きく崩さずにファンの求める面白さを追求した作品(そして多分それは上手く行っている)だったのに対して、大逆転裁判は『逆転裁判』というゲームのスタイルを”面白さを追求するための道具”ぐらいにしか思っていなくて良い意味で従来のシリーズより型が崩れてるんですね。
たとえば大逆転裁判の法廷パートではレイトン教授VS逆転裁判のときと同じように一度に複数人の証人が登場します。本編ではひとりの証人の発言を揺さぶれば良かったのですが、今作では喋っていない証人のおかしなリアクションを確認したら、すかさずそっちの証人を揺さぶる必要があります。
そして陪審員制度が今作の法廷パートには取り入れられています。
陪審員全員が事件を「有罪」と判断すると強制的に審理が終了してしまうのですが、このときに弁護側には「最終弁論」の権利が与えられます。この最終弁論で、過半数の陪審員の意見を「無罪」に変更することが出来ると、審理が続行します。
最終弁論を行わせるために、陪審員が毎度の如く有罪判決を出す流れはみんな馬鹿なのかと疑わざるを得ないぐらいに予定調和を感じましたが、逆転裁判の面白さの根幹にある『論理的にムジュンを指摘する』という流れにきちんと沿った良いシステムだと思いました。
事件現場を捜索する探偵パートでは、本編にはない共同推理というシステムが追加されました。あの名探偵シャーロック・ホームズが登場して主人公のアシストをしてくれるのですが、ホームズは頭が良すぎるせいで常軌を逸した超推理を披露してきます。
ナルホド君は事件の真相に近づくために、彼の間違っている部分を要所要所で捕捉したり修正して推理を正しい方向に導かないといけないのです。
このシステムで特に思ったんですけど、タクシューのテキストってすごく面白いです。短いセリフの中にも言葉遊びが巧みに混ぜられていて、長い文章も読んでいて苦になりませんでした。
恐らく大逆転裁判1は『人を信じること』をテーマにシナリオを作っていて、ナルホド君はシナリオの中で何回も何回も人に騙されるんです。それで「人を信じるって何なんだろう」と自問自答を繰り返した後の最終話のナルホド君が今までにないぐらい頼もしく見えて感動しました。
1の最終話でこの面白さなら2の最終話はどれだけ面白いのでしょうか。期待に胸が膨らむゲームでした。
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