カミヅキ記録帳

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1000円出してこれを読むのは厳しい/『シン・ゴジラ』を100倍ディープに観る/岡田斗司夫 感想・レビュー【読書記録】

 つまらないわけじゃなくて価格に見合っていないということが言いたい。

『シン・ゴジラ』を100倍ディープに観る: 岡田斗司夫ゼミスペシャル

 著者は岡田斗司夫

ガイナックスの初代代表取締役、つまりシンゴジラの監督・庵野秀明の元上司です。

今はジブリアニメの批評や考察をYouTubeにアップすることで生計を立てているようです。

 

概要

日本中にムーブメントを起こした『シン・ゴジラ』とはいったい何だったのか?
エヴァンゲリオン』の庵野秀明は、なぜゴジラ映画を作らなければならなかったのか?
シン・ゴジラ』によって、これから日本映画はどう変わっていくのか?

ガイナックスの創業者であり、オタキングとして知られる岡田斗司夫が、『シン・ゴジラ』の深層構造をえぐり出します!
劇場版で見た人も、見なかった人も、これからBlu-ray/DVDを見る人も、本書を読めば『シン・ゴジラ』、そして映画の見方がきっと変わります。

Amazonより引用

岡田斗司夫がニコ生で行ったトークを文字起こしして無理矢理本にしたもんだから、話が微妙に纏まってなくて鬱陶しかったです。

トークで聞くとちょうどいいんだろうけれども、文字で読むと話の脱線具合がちょっとキツいですね。

こっちとしてはゴジラの本を読んでるつもりなのに著者が関西ローカルに出演したときのエピソードとかが何故か挟まってきて、もうちょい上手いこと校正出来んかったもんかなーと。

俺はキンドルアンリミテッドの読み放題で読んでるから耐えられるものの、こんな纏まりの悪い本を1000円で買って読まされたらたまったもんじゃないです。

そういう部分に目を瞑って読んでも、面白い部分と面白くない部分が極端すぎて渋い面をすることが何度かありました。

具体的には『シンゴジラが面白かった理由』・『シンゴジラがつまらなかった理由』の批評はすごく良かったんですよ。

とりあえず本文から『シンゴジラが面白かった理由』の部分を抜き出します。

今回の『シン・ゴジラ』は、何とすごいことに、登場人物はほぼ全員、政治家か官僚です。なので、早口で熟語ばっかりでしゃべる。

これは庵野監督が樋口監督と一緒に、官僚とか政治家を取材した時に、全員がものすごい難しい四文字熟語とかを使って、すごい速さでしゃべっていた。それで役者には「これで、しゃべってくれ」と言った。

主演の俳優さんにも「もし、ゆっくりしゃべったら、もうそのシーンはカットしますよ」と脅したそうなんですね。その結果、 役者同士のやり取りが速い速い。結果、どうなったかというと、役者のエゴ が入る場所がない。ヘタな絶叫演技を入れる場所がないんですよ。

だから結果として、うまく見えちゃう。こんな言い方は何なんですけども、僕が邦画を あまり見ない理由は、日本の役者がほとんどヘタクソだから。演技のレベルは全員、一定でヘタなんですけども、みんなうまく見えるんですね。

早口で、やりとりをしているだけだから。官僚だから表情がないので、無表情なのも気にならない。というか、変に感情を入れないから、そこらへんが含みがあるように見える。これは演出の勝利 です。

岡田斗司夫. 『シン・ゴジラ』を100倍ディープに観る: 岡田斗司夫ゼミスペシャル (Kindle の位置No.116-123). 株式会社ビンワード. Kindle 版.

僕自身は日本人の俳優を特に下手だとも思ってないんですけれども、「なるほどシンゴジラのあの特徴的な間の詰め方はそういう理由だったのか」と納得出来て面白かったです。

ただ、『シンゴジラの設定考察』や『作品のテーマ考察』の部分は何というか読んでいて疑問符が浮かぶことが多く、「行方不明になった博士がゴジラになったから東京を目指していた」「主人公が政治家の責任の取り方を語るシーンは、今後もエヴァを作ると言う庵野秀明の意思表明」等と確たる理由もなく主張していて、「んー?本当にー?」って気持ちで読んでいました。

映像論、演技論だけでなく、元上司ならではの切り口で庵野秀明のルーツからシンゴジラを語っているのは岡田斗司夫だけだと思うので、シンゴジラが面白いと思ったなら読んでもいいでしょう。

ただ仮にも1000円取る本ならもうちょっと話の裏付けとか本の構成とかを頑張ってくれよなあというのが正直なところです。話自体はまあまあ面白いのにそこが残念。

 

 

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