カミヅキ記録帳

読書、映画、ゲーム、平沢進、ALI PROJECT、雑記。

「生」と「死」の取り扱い説明書 いつかメンヘラに絡まれる前に読んでおきたい一冊

最近、いい歳した大人に「人は何故死ぬのですか?」と聞かれました。

「うっせー!!!!」って返事したいのをこらえて、自分なりに説明しました。自分には確固たる死生観なるものが備わってなかったのでめっちゃ困りました。

そのときに思ったのですが、今後の私の人生において似たようなこと聞いてくるメンヘラが現れないとも限らないわけじゃないので、そんなときのために理屈の下地作りはしといた方がいいと思ってこの本を手に取りました。

「生」と「死」の取り扱い説明書

「生」と「死」の取り扱い説明書

 

この本もキンリミで読めるよ!

 

 

苫米地先生の様式美。仏教・科学・自慢話

著者の苫米地先生は脳科学の分野での権威らしいのですが、「脳科学」というものがあまりに万能すぎて、ありとあらゆるジャンルの本を出しています。

とにかくわかりやすいのと、著作の多くがキンリミで読み放題になってるので、困ったらまず苫米地先生の本を読むことにしています。

 さて、そんな苫米地先生の本ですが、基本的に「仏教的な視点の意見」「脳科学的な視点の意見」「自分の自慢話」の3点セットで話が構成されているという大きな特徴が挙げられます。『「生」と「死」の取り扱い説明書』も例外ではありません。

この本では

・『宗教的な死』の考察

・『科学的な死』の考察

・『苫米地先生の考えた宗教と科学の概念を超越した素晴らしい死の定義』の話

という形で先生の様式美は守られています。

 

宗教的な死

どの宗教を選ぶか、それを信教の自由というわけですが、宗教を選ぶという視点で見れば、各宗教は妄想合戦をしているようなものです。これは、 小説の世界で言えば、どのフィクションが一番おもしろいかを競う、直木賞とか芥川賞の選考会のようなものと言えるかもしれません。

苫米地英人. 「生」と「死」の取り扱い説明書 (Kindle の位置No.366-369). Cognitive Research Labs. Kindle 版.

 苫米地先生の得意分野は仏教なのですが、仏教だけに限らずその他宗教の死生観を比較するだけ比較しておいて「死んだあとどうなるとか全部妄想やん」「宗教の死生観はただの面白ファンタジー」で片付けられてます。

 

科学的な死

「細胞の死が人間の死だ」これは正解ではあるのですが、若干の問題も残ります。細胞 の死とは細胞が代謝をやめたときと考えられますが、それは体の全細胞の代謝機能が停止したときでしょうか。

苫米地英人. 「生」と「死」の取り扱い説明書 (Kindle の位置No.605-607). Cognitive Research Labs. Kindle 版.

 正解なら良いじゃないのかと思いますが先生はゴネます。科学的な死については論じるのも面倒なのか、あまり触れられていません。

 

『苫米地先生の考えた宗教と科学の概念を超越した素晴らしい死の定義』

苫米地先生のお得意の結論に「全部宇宙やで」があるんですけれども、今回の結論はそれと見せかけて、「死ぬまでの過程でめっちゃ頑張って思い出残そうな」「宇宙やで」の合わせ技でした。詳細は語るのが面倒なので省略します。

 

個人的には苫米地先生の語る死生観は別にそこまで斬新だとは思わなかったのですが、宗教によって与えられていた死生観を論理的に否定することで、みんなが考える「死への固定概念」を払拭しようとしているところが面白かったです。

宗教的な死の定義や、科学的な死の定義の話等、そういう面倒くさい話が好きな人は真面目にいいと思います。

)